日一日と暖かくなり、校舎が日差しに輝く季節となりました。
着慣れた制服に身を包み、今日、私たちは光明台中学校を卒業します。
振り返ると、心に残る出来事がたくさんありました。
中学生最初の行事は、ハチ高原での登山への挑戦でした。登山の経験のない私にとって、ハチ高原の斜面は壁のように急に感じ、挫けそうになる場面もありました。そんな時でも、知り合ってほんの数週間の友達と励まし合い、笑いながら登ると、あんなに辛かった登山も楽しい時間となりました。あっという間に着いた、山頂から見た美しい景色は、今でも忘れることができません。そして、煙に目を擦りながら、みんなで炊いたご飯とカレーは本当に美味しかったです。
中学校に入学して二年目、中学校生活にも慣れ始め、少し余裕が出てくるとともに、後輩ができたことに不安と昂りを感じた年でした。
初めての職場体験を通して、実際の職場にある緊張感を肌で感じ、働くことの大変さ、責任を負うことの怖さ、また協力することの大切さを知ることができました。初めての体験をたくさんしたあの二日間は、とても大変でしたが、社会への一歩を踏み出す準備をすることができ、私たちの成長に繋がる出来事になったのではないかと思います。
職場体験や後輩との関わりを通して、「責任」という言葉に多く触れ、その意味を再認識することができた一年でした。
十五歳になり、「最高学年」、「受験生」など、たくさんの呼び名が加わり、中学校生活最後の一年が始まりました。部活動では「頼る側」から完全に「頼られる側」に回り、受験生となることで不安を感じるとともに、最高学年としての自覚もじわじわと湧いてきました。
中学校生活最後の体育大会では、卒業された先輩方の宿願である、三学年の同じクラスが一つのチームとなる「団」制度が導入され、一層三年生である私たちの頑張りが問われる行事となりました。玉入れやクラスリレーなど、どの競技も仲間との協力が必要不可欠であり、その過程で学ぶことがたくさんありました。最後ということで例年より気合を入れてこの行事に臨んだので、怪我がとても多かったです。家に帰るときに絆創膏や包帯をして帰る人もいて、とても心配でしたが、週明けに元気な姿で笑い合えたこともいい思い出です。これらの傷は、私たちが最後の体育大会を必死に良いものにしよう、みんなが楽しめるようなものにしようと頑張った証です。実際、私たちの頑張りが体育大会の成功につながったと、多くの方々に声をかけていただきました。
炎天下の体育大会の練習や、とても辛かった毎冬の地獄のマラソン大会など、もう明日からは経験できないと思うと、今は不思議と寂しく感じます。
このように振り返ると、この三年間は私たちにとってこの上なく有意義で、楽しく、かけがえのないものでした。中学校生活があっという間だと感じるのも、この三年間がとても充実していたということでしょう。
この学校生活を通して、たくさんの人と関わることができました。級友、先生方、先輩や後輩など、幅広く、また深く関わることで、初めて経験できたこともありました。意見が衝突することや、人間関係がうまくいかなくて気まずくなることもありました。しかし、話し合い、お互いの思いをぶつけ合うことで、自分一人では決してできないことを達成することができたのです。自分には仲間がいると自信を持って言えるようになり、自分たちを最強だとまで思える。そんな日々は宝物であり、それは私たちが大人になっても変わらないことだと思います。
最後になりましたが、まず、先生方。勉学の楽しさ、奥深さを教えてくださり、時には厳しく、時には優しくたくさんのことを指導してくださいました。私たちのことをいつも見守り、助言してくださいました。また、給食調理員の方々、毎日美味しく温かい給食を作っていただき、見守り隊員の方々は私たちの安全を第一に考えていただきました。卒業式を迎えることになった今になって、みなさんの行動が、自分たちのことを思ってくれていたからこそだと、身にしみて感じられます。三年間本当にありがとうございました。
在校生の皆さん。今まで私たちのことを助けてくれたり、支えてくれたりすることもありました。ありがとうございました。みなさん、三年間はあっという間です。後悔しないように、時間を無駄にすることのないように、残りの学校生活を過ごしてください。周りの人が困っていたら、手を差し伸べることができる、そんな光中生になってください。
お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。思春期になって素直になれないときもあったり、人生初めての受験で八つ当たりしてしまったりしたけれど、最後まで私たちのことを考え、愛情を込めて育ててくれました。いつもは照れ臭くて言えないけれど、とても感謝しています。将来は二人のようになりたいと、強く思っています。
これから私たちは、それぞれの道に進んで行きます。高く、大きな壁にぶつかっても、この中学校生活で得た勇気、愛情、絆を原点としたいと思います。三年間、ありがとうございました。
令和二年三月十三日
卒業生代表 仲村 ここ